自衛官の入隊後の教育カリキュラムは2段階にわかれています。
前期教育では自衛官としてふるまうための基本的な事を学び
後期教育では、職種毎に異なる基本知識を勉強します。
職種については関連記事があるので合わせて読んでください。
実際に僕が経験した後期教育を紹介します。
何故こんなに職種が多いのか
前期教育の記事でも書いていますが、自衛隊は自己完結の組織なんです。
いまでは、アウトソーソングが増えていますが、根底にはこの考えがあります。
ものすごく簡単なことを言うと、いざ有事の際に誰がその現場まで物を運んでくれるの?
ご飯作るひとは来てくれるの?ということです。
有事がどの程度のものかにもよりますが、最終的には自分たちで全部できないと駄目だよね。
そんな考えに基づいて組織されているので職種が増えるという感じです。
ちなみに、職種として補え切れない部分は当番制になっていたりします。
陸上自衛隊の会計隊はなにするところ
では僕がいた会計隊はなにするところかといいますと
主な任務は3つです。
- 物品の調達
- 隊員への給与の支払い
- 法定保存文書の管理
この3つをこなすための知識を後期教育では学びます。
とはいっても3つ目の法定保存文書の管理は特に学ぶことはありません。
ちなみに、会計隊は後期教育の期間が短く、約2ヵ月です。
全国で50人くらい隊員が補充されるのですが
2019年の入退社数は自衛官候補生と曹候補生の合計で約9300人ですので
全体の0.5%程のかなり狭き門にはなってますね。
狭き門なだけあって割と好待遇で新隊員から事務所に自分の席があったりします。
他の職種だと、まず新隊員が事務所にいることが少ないので自分の席は3曹に上がってから与えられることが多いです。
他職種の多くの新隊員は体力錬成に励んだり自分たちの扱う装備の扱い方を覚えるのが主たる任務でしょう。
訓練内容
主に座学で学び、テストで習熟度を測るという感じ。
なのですが、自衛官として当然の体力錬成もあります。
割合としては半々くらいですかね。
日々のざっくりした活動としてはこんな感じでした。ただし何年も前なのでこの辺はちょっと変わってるかもしれないですね。
8:00~ 筋トレ
8:40 自衛隊体操
9:00 国旗掲揚
9:30 座学2コマ(1コマ90分)
12:40 昼食
13:40 座学1コマ
14:30 体力錬成
17:30 終礼
ちなみに教官は一般部隊の新人3曹が班長。ベテラン陸曹が区隊付、新人幹部が区隊長。教育隊長は方面会計隊長だったはず。
会計隊で行う訓練の中でも僕がきつかったのが山籠もりです。
会計隊が山籠もり?と思いませんか?
僕は思いました。ふざけんなと。
どうやら、後期教育でも自衛官の基礎として山での訓練はあるようです。
山はマジでやばいです。基本臭い。全員臭い。
3日風呂に入らないので当たり前ですけども。
あと、トイレがありません。穴ほってします。
本番(有事の際)は、何か物資の買い付けとかするらしいです。
後期教育で注意すること
これは前期・後期教育を通して言えることですが
駐屯地内で自分たちが最下層の隊員であるということです。
あたりまえですが、階級も待遇も一番下です。
食堂や、風呂場で騒いでると一発でどこの隊員かばれます。
次の日はきついおしおき体力錬成が待ってたりします。
更には、教育は大きな駐屯地で行われることが多く、必然的に階級の高い隊員がそのへんをふらふら歩いてる事態に遭遇します。このへんも要注意ですね。
後期教育の楽しみ
楽しみは、飯と外出です!
後期教育は大きい駐屯地で、階級が高い人が多いと先ほど書きました。
食事は本来駐屯地によって当たりはずれがあるのですが、大きい駐屯地には階級の高い幹部があつまる=飯がうまくなる
この式が割と成立してます。
あとは、やはり同期と飲みに行くのは最高の楽しみですね。